第6章 騎士と気まぐれ姫(菅原孝支)
え?なんでここで謝るの…!?
頭が追い付かなくてきっと俺はすごく変な顔をしていると思う。
「菅原くんが、しんどいのは、私もいやだよ……」
ずるい、ずるい。
今まで、ずっと俺のことなんかどうでも良さそうだったのに。
急にそんな顔でそんなことを言うなんて。
「ごめんね…もう菅原くんが嫌なことは、しないね?」
「う、うん……」
凄く素直なところがあるんだな、と驚いた。
そのくらい、彼女は実家で寂しい思いをしていたのだろうか。
「でも、心配はしてほしいの…」
「また難しい注文を……」
そして、何よりの不安は、また人が離れていくことなのだろう。
「俺は……1日のほとんどの時間、君のこと考えてる。
だから、安心してほしい」
「……うん」
さんは、少しだけ背伸びをして、触れるだけのキスをしてくれた。
一瞬何が起きたかわからなくて、わかった瞬間一気に身体が熱くなった。
いろいろ、覚えておきたかったのに、そんなのもわからないくらい一瞬で、正直落ち込む。
「菅原くん、昇格おめでとう。
騎士から王子様に、なりましたぁ」
「……用心棒から大分上がったな…」
「うん。
だから……あっついから、プール行こ?」
「……だな」