第2章 異変
「これほど速く事態が進み始めるとは…その上リョンヤンのやつも何やら私の周りをかぎまわっているようだ」
男は部下と共に薄暗く狭い部屋で話し込んでいた。誰も使っていないからか埃っぽく、部下は落ち着きなくまばたきを繰り返していた。
いや、不安だからかもしれない。それほどに男の苛立ちは周りのものを不安にさせるほど目に見えていた
「おい、もう少し先にしようと言っていたが、あれを明日実行する」
「あ、明日!?あまりに急なのでは…」
「不審に思われて探られているならば、これほど大きな策は遅かれ早かれ露呈する。できるならば早くに行った方が良い。それに」
男は少し笑みを浮かべる。どうやらこの策の成功を確信しているようだ
「明日ならあのものを排除できる良い機会だ。」