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ニライカナイで会いましょう【テニプリ/木手】
第9章 嘘
「な、なんでもない。目にゴミが入っただけ」
「…見せろ」
嘘だと、跡部くんは気づいていただろう。
けれど律儀に彼は私の瞳を確認し、ゴミなんてねぇぞ、と鼻で笑った。
眼前にせまった跡部くんの綺麗な顔はすぐに離れて、代わりに彼の指先が頬に伝う涙に伸びてくる。
「…お前を泣かせているのは、何だ?」
「…ゴミったら、ゴミだよ」
「そうかよ」
そんなやり取りをしてようやくロッジの中に入る。
ずっと木手くんがそんな私達の様子を見つめていたことを、その時の私は知らなかった。
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