第12章 I miss you〜SJ〜 6
「どうしよう…嬉しくって……息が止まりそう…」
少し前まで頭ん中にあった、ニノがどうだとか、俺が翔君に相応しいかどうかだとか、そんなもの全て吹っ飛んで…
あぁ…
やっぱり勝手だよね。
でも…ね…
もうおかしくなりそうなぐらい…
あなたが、好き。
「しょーくんが欲しいって言うなら、何だってあげる。心はもうしょーくんのものだから、俺の目も口も指も足も…俺を構成する全て、全部しょーくんにあげたっていい。しょーくんが俺を求めてくれるなら、もう何もいらない」
「んな事言っていいのかよ。もう二度と、他に心、移せねーぞ?」
「そんなの…しょーくんもだよ?」
翔君のが自己中な愛、って言うなら…
俺だってそう。
翔君の全てを手にできるなら…あれだけ優しかったニノの事だって、簡単に忘れてしまえる。
「きっと…ね…やっぱり俺の愛の方が、深いし…怖いよ?」
「んな事ねーよ」
「ふふふっ…じゃあ、一緒って事にしよ」
抱き締めていた俺の腕から顔を上げて笑った翔君に俺も笑い返して、今度は俺から深いキスへと誘う。
俺は翔君が好きで…
翔君も俺を好きなら…
じゃあ、もうそれで、いい。
だからもう…
今こうやって唇で互いを感じて…
他の誰も割り込めないぐらい深く…
一緒に堕ちて?
「ふっ…ンァっ…」
唇を深く合わせたまま翔君の指は俺のシャツを捲り上げてその中に入ってきて…
探り当てた突起にその指が触れただけで合わさった唇の隙間から甘い声が溢れる。
そこを摘まれて、挟まれて、あの頃の記憶ひとつひとつを確かめるように愛撫され、全身が翔君の色に染まっていく。
その指も…唇も…
翔君の全てが久しぶりなのに、全てがしっくりきて…
やっぱり翔君なんだって、思う。
運命なんて言葉を使うと陳腐になるかもしれないけど…
それでも…
こんな風に身も心も重なり合う相手は翔君しか、いない。
翔君との出会いは運命だったんだって…そう思うよ?