第1章 愛の分岐点
「に、のぉ」
「ん?」
「お、ねがい…んぁっ」
腰を振って限界を訴えると、全部分かってるって顔して、俺の好きな場所を突いてくれる。
再び体を突き抜ける快感。
何度もそこを突かれ、その快感に身を任せようとした瞬間、ニノがギュッと俺のモノを拘束した。
「っぁ…な、んで…ニ、ノ…?」
「ねぇ、潤くん…翔さんにも、こんな風に…素直にオネダリ、してた?」
「んっ、やっ」
根元の拘束は緩めぬままに先端を弄られ、渦巻く快感に頭の中が真っ赤になる。
「ねぇ……教えて?」
「もぉ…ニノ……カズ…おねがい…」
腰を振って解放をねだる自分の姿はどれほど浅ましいものだろう。
もちろん…
そんな事、翔君相手にできたわけがない。
「潤くん…おしえて…」
甘い柔らかい声で囁きながら、腰を緩々動かすニノ。
声を殺す癖についてもそうだったけど、ニノは俺を抱きながら時々こんな風に俺と翔さんの事を聞きたがる。
翔君を想う事をやめる必要はない、って言ったけど…
それでも、こんな風に抱き合いながら他の男との関係を聞くとか、俺なら嫌だし…
「言わないと…イケないよ?」
言いたくないけど、言わないと本当に延々イかせてくれないのは経験済みだから…
結局、どんな事も言わされて…
(翔さんは、どんな風に触ってくれた?)
(翔さんは、愛してるって言ってくれた?)
(翔さんは…翔さんは…翔さんは…)
それを聞く事でニノがどういう気持ちになるのか分からないけど…
「いって…ない。こんなの…ニノ、だけしか…」
「翔さんには、こんな淫らな潤くん、見せてないんだ?」
「んぁっ」
切なく涙を溢れさせる先端を指でグリグリされて、出したくても出せないもどかしさに腰を振ると、ニノは楽しそうに笑って俺のモノを拘束していた指を外してくれた。
「素直な潤くんは…こんなに可愛いのに、ね」
そう言って、俺の好きな場所へと腰を進め…
「あぁ…ニノ、もっと…」
「快感に素直な潤くんも…大っきな声が出ちゃう潤くんも…全部、ね、潤くんだから…いくらでも、感じて?潤くん…」
愛してるよ
そう耳に注ぎ込まれて…
俺は更なる快感に…落ちた。