オイルマッサージで初中イキ!私開発されひゃいましゅうう♥♥♥
第1章 ♥
手をガン見する代わりに伊豆さんの顔をガン見していたら、フと目があってしまった。
うわ、が、ガン見してすみませんでした。
「リラックスしてください。口、痛くないですか」
「んん?」
どうも、声を出すまいと思うあまり、唇をぎゅうぎゅうに噛んでしまっていたらしい。言われて初めて気づいた。確かに痛いわ。
「あ、き、緊張しちゃって…」
「桃浜さん、マッサージを受けるのは初めてなんですよね?みなさん最初はそうですから。大丈夫ですよ」
「やっぱり、そうですよね。みんな緊張しますよね」
「はい。私が男ということで、特に気にされる方も中にはいらっしゃいます」
「やっぱり…!」
しまった、つい「やっぱり」とか言ってしまった。
「ええ、そうですね。ですが男の施術者も最近増えてきていまして、それほど珍しいものではないですよ。以前、男女両方の施術者がいるサロンで働いていたことがありますが、男の施術者を指名される女性も沢山いらっしゃいました」
「えっそうなんですか」
それって、えっちな目的でなくて?
「はい。男性の方が手が大きくて力が強いからマッサージ効果を感じられる、ということで。実際整体師なんかは男性も多いでしょう」
「あっ、そういえばそうですね」
えっちな発想ばっかりしてすみませんでした。
少しずつ伊豆さんと話ができるようになってきたな、と思ったころで終了時間がきた。
えっ、もう!?って感じだった。
だって気持ちいいんだもん…あと10倍くらいやって欲しいよ。それはさすがに伊豆さんが死ぬかな。
延長しますか?とコースの説明をされたけど、正直財布が心もとないのでやめておいた。伊豆さんの店は良心的(非常に良心的)価格だと思うけども。
絶対また来ます、と言って店を後にする時、「ありがとうございます」とニッコリ笑顔を向けられた。
あんまり笑わない人なのかなあと思ってたけど、なんか普通に笑うんだね。
カウンターでの無表情と、施術中の怖いくらい真剣な顔と、今の笑顔と。伊豆さんを見られるだけで結構美味しいかも。
もしかしておモテになるタイプの人か?