第2章 2番 始まりの1日
「ことちゃん!元気?」
周りがキラキラしていて、頭に犬の耳&尻尾が
見える気がする。←ただの幻覚
彼―――戌谷かいと君も倉石君と同じように
ストーカーまがいな行為をしてくるが、
決定的な違いがある
それは、
「静かにしてください。」
とまあ一言言ってしまえばその通りにしてくれること。
倉石君に言っても聞きやしない、絶対に。
だけど、戌谷君ならこれだけでほら、もう黙っている。
いくら会話が苦手、コミュ障な私でもこれくらいなら
言える。但し。こいつも敵だ。そりゃあもう黙ってる。
10分でも20分でも、
たぶん1時間以上でも黙り続ける。
そしてその眼は、光り輝いてこちらを見つめている。
まるで子犬が次の指示を待つように。
ぶんぶんと尻尾を振って(幻覚)
「………」
さっきまで静かにしてほしいと願っていたはずなのに、
沈黙が痛い。視線が痛い。