第8章 *愛=嫉妬*
「けどこんなルール逃げの一択じゃね!?って思っちゃいますよね。そこで私達、サポート科にこんなの作ってもらいました!」
「超圧縮お~も~り~!」
どこかのネコ型ロボットに似た喋り方なのはあまり気にしないほうがいいのだろう。
「体重の約半分の重量を装着する!ハンデってヤツさ。古典だが動きづらいし体力は削られる」
(体重の半分……私たちが着けたらかなり動きが鈍くなる)
これによって作戦次第では勝てる確率もかなり上がった。
そもそも勝てる確率が0の試験なんていくら相澤先生でも用意しない…と思う。
「出番がまだの者は試験を見学するなりチームで作戦を相談するなり好きにしろ」
それぞれペアで集まって作戦を立てているが、私は焦凍とペアだ。そしてその焦凍は私よりも先に百ちゃんと四戦目に相澤先生と戦う事になっている。
(これは普通に考えて今は百ちゃんと焦凍が作戦会議をしたほうが良い)
「轟くん、百ちゃん。私は二人が終わってからで大丈夫だから今は私の事は気にしないで」
「そうですわね……お二人の作戦会議の時間を減らしてしまい申し訳ありません」
(百ちゃんが謝る理由なんてどこにもないのに……)
「私こそ気にさせちゃってごめんね」
百ちゃんは本当にいい子だし、愛想もいい。皆に好かれてるし頼りがいもある。いい所を並べたらキリがない。
「試験が終わり次第そっちに行く」
「分かった。モニタールームで待ってるね」
授業の一環だと分かってはいても二人が話しているのを見るのはモヤモヤしてしまい、私は轟くんに背を向け、振り返ることなくモニタールームへと急いだ。