第8章 *愛=嫉妬*
「そして緑谷と爆豪がチーム」
(ん…?確か緑谷君と爆豪君って仲悪かったような…少なくとも良くは見えなかったけど……)
まだ皆と学校生活を共にして間もない私でも分かる。
緑谷君と爆豪くんは仲が悪い。
悪いと言うよりかは爆豪くんが緑谷君にかなり強く当たっている気がする。
(クソデクとか何とか……ヒーロー志望にしては中々衝撃的な言葉を言ってたような気がするけど……)
「で、相手は…私が、する!協力して勝ちにこいよお2人さん!」
何処からともなく飛んできた巨体はオールマイト。
(ちょ…いくら何でも無理なんじゃ)
二人の実力を全部知っている訳ではないけど、どんなに凄い個性でもNO.1ヒーローのオールマイトに勝てる可能性ははっきり言ってゼロだ。
(個性ってよりかは仲が悪い二人が上手く協力できるかが問題だとは思うけど)
爆豪くんは明らかに不機嫌だし、緑谷君も気まずそう。
周りもこの組み合わせにざわつく中、その後も次々と組み合わせが発表される。
「切島と砂藤。相手はセメントス」
「常闇と蛙吹。相手はエクトプラズム」
「尾白と飯田。相手はパワーローダー」
「青山と麗日。相手は13号」
「芦戸と上鳴。相手は根津校長」
「甲田と耳郎。相手はプレゼントマイク」
「葉隠と障子。相手はスナイプ」
「瀬呂と峰田。相手はミッドナイト」
一通りの説明が終わり、もう既に作戦を立てようとしているペアもいる。
「月城だが、轟とペアを組んでもらう。10戦目だ。轟、2回戦うことになるが異論はあるか」
「ありません」
「よし。相手はセメントスだ。皆、頑張れよ」
「試験の制限時間は30分!君達の目的はこのハンドカフスを教師にかけるかどちらか1人がステージから脱出することさ!」
ハンドカフスと言って見せられたのは手錠のようなものだった。
「とは言え戦闘訓練とは訳が違うからな〜!相手はちょ〜〜格上!」
「実力差が大きすぎる場合逃げて応援を呼んだほうが賢明。轟、飯田、緑谷。お前らは良くわかってるはずだ」
(保須市の事かな…でも確かに相手が強すぎたら逃げた方がいい)
マイク先生と相澤先生が言っている事は最もだ。
今回だって実力の差が流石にありすぎる。
そんな私達の様子を見てオールマイトが話し始める。