第8章 *愛=嫉妬*
近くで八百万と轟が問題の答え合わせをしている。飯田と緑谷も同じように答え合わせをしていた。
聞こえる話の内容からして、俺が全く解けなかった難問…
(やっぱ天才は違うな……きっとユイちゃんも解けてるんだろうな…)
そう思い、視線をユイちゃんに戻すが、目が合わない。
ユイちゃんが顔ごと横に向けて何かをじっと見つめているからだった。
その視線の先は多分轟と八百万。
「ユイちゃん、ずっと何見てんの?」
俺が話しかけると、ユイちゃんはハッとしたように俺に視線を合わせた。
「ううん、ぼーっとしてただけ」
「まだ実技試験もあるぜ?気ぃ抜くなよ〜?」
「わかってるわかってる」
「でも実技はロボを倒せばいいんだから比較的楽だよな〜」
「みんなは受験の時に戦ってるんだよね。…強い?」
「まあ強いっちゃ強いけどそれを簡単に倒した奴らが今ここにいる訳だしユイちゃんの個性なら問題ないと思うぜ!」
ヒーロー基礎学の時、少しだけしかユイちゃんの個性は見ることが出来なかったがユイちゃんは個性の使い方も上手い。
そんなユイちゃんならば演習用のロボくらい簡単に倒せてしまうだろう。
(女の子に負けてらんねぇよな!)
俺はユイちゃんに良いところを見せようと変な闘志を燃やす。
「そういえばユイちゃんの"個性"ってなんなの?」
大方の予想はつくが本人から個性について聞いた事はまだなかったので聞いてみると、予想以上のチート個性だった。