第8章 *愛=嫉妬*
*。°○.:+**。°○.:+**。°○.:+**。°○.:+**。°○.:+*
∬ テスト当日 ∬
§ 上鳴電気side §
「全員手をとめろ。各列の一番後ろ答案を集めて持ってこい」
砂藤に答案用紙を渡して大きく息を吐く。
「はぁ〜〜〜!終わった……」
「確認が終わるまでは席を立つなよ」
とりあえず最大の敵である筆記試験を終え、張り詰めていた教室の空気も少し軽くなる。
「よし。終わっていいぞ」
バッ!っと一気に何人かの生徒が立ち上がり、いつもの騒がしさを取り戻す教室。
後ろの席の切島は真っ直ぐ爆豪の元へと歩いて行った。
「爆豪!サンキューな!お前が教えてくれたとこ出たぜ!!」
「テスト範囲教えてんだからあたりめェだろ!これで赤点だったら殺す!!」
「怖いなぁ〜赤点無いとえぇなぁ…」
「大丈夫よ、頑張ってたじゃない。ケロ。」
「ありがとうヤオモモ〜!」
「よく頑張りましたね、芦戸さん」
机に突っ伏していたり、友達と開放感を味わっていたり、勉強を教えてくれた人の所に行ったり……テスト勉強の仕方で、テスト後の行動も変わってくる。
(俺は勿論!ユイちゃんの所に!)
軽快な足取りで#ちゃんの席へと向かうと、ユイちゃんも目だけを出して机に突っ伏していた。
「ユイちゃん!勉強教えてくれてありがとな!お陰で何とかなりそう!」
話しかけると、俺を見て少し笑うユイちゃん。
(今のは…笑ったよな?俺もだんだん分かってきた!笑ってるのが分かると可愛い…!)
「そう?ならよかった。皆で林間合宿行こうね」
「おう!」
ユイちゃんの言葉を聞いて、テスト勉強を頑張って良かったなとしみじみ思う、
正直まだ赤点ギリギリのラインだとは思うけれど、赤点だと分かりきっていた前のテストと比べれば大きな進歩だ。
「轟さん、この問題の答えなのですが、どうなりましたか?」
「これか?それなら……」
「同じですね!安心しました、ありがとうございます」