第8章 *愛=嫉妬*
§ ユイside §
「セレブだと思ってたけどまさかこれほどとは……」
私と一緒に百ちゃんの家に来た5人が大きい門の前で目を丸くする。
でも私はそこまで驚かなかった。
自慢だと言われればそこまでだけど、私はお父さんの都合で何度かパーティーに出席している。そこには百ちゃんと同じくらいの超セレブもいる。
そう考えれば百ちゃんともどこかのパーティーですれ違っているかもしれない。
まぁ、全然楽しくもないパーティーだけど。
「よし!行くぞ!」
友達の家に入るだけなのに、上鳴くんが何かを決意したような顔をする。
今日一緒に来たのは上鳴くん、尾白くん、響香ちゃん、三奈ちゃん、瀬呂くんの5人。
家に入ると、私服でとても楽しそうな笑顔を浮かべる百ちゃんが出迎えてくれた。
「何か?」
「「「「「「ううんなんでも」」」」」」
私を含め6人が一斉にそう言う。
この時皆は同じことを思っただろう。
(可愛い………)
と。
「さあ!勉強会を始めましょう!皆さん分からないところはどんどん聞いてください!」
「ヤオモモ〜!ここ分かんない!」
「英語の文法ですね、ここは…」
1度勉強会が始まれば結構みんな真面目に勉強を始める。
「ユイちゃん、ここの問題教えてくれねぇ…?」
「いいよ、どれ?」
「数学なんだけど……」
「これなら公式を覚えた方が早いよ」
(なんか…懐かしいな)
上鳴くんが分からないと言った問題はいつの日か心ちゃんに教えた問題と似たものだった。
(雄英への編入だからあまり言いふらさないでくれって言われてたから転校先も言えてないんだよね……)
「ユイ〜!ここ教えて!」
「あ、三奈ちゃん。ちょっと待ってね、すぐ行く!」
雄英での生活も楽しいから後悔はしていないけど、いつかまた2人に会えたらいいなと思った。
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