第8章 *愛=嫉妬*
∬ several days late ‐ 数日後 ∬
「期末テストまで残すところ一週間だがお前らちゃんと勉強してるだろうな?」
(やべぇ……)
「テストは筆記だけでなく演習もある。頭と体を同時に鍛えておけ。以上だ」
(やっべぇ……)
「全く勉強してなーい!!!」
期末試験で結果を出せなかったら追試地獄地獄だと宣言されてから数日、謎の余裕で全く勉強をしていない俺と芦戸は窮地に立たされていた。
俺のクラス内順位は20人中20位。
つまりクラス1のバカ。
元々ずば抜けて頭がよかった訳でもない俺は雄英に入るのに死にものぐるいで勉強した。
因みに芦戸は19位。俺に次ぐバカだ。
きっと皆もそうだろう。高校に入って実技にばかり力を入れているだろう。
そう信じていたのに……
(なんで峰田が中間9位?!)
「オマエみたいなヤツはバカではじめて愛嬌が出るんだろうが!どこに需要あんだよ!」
「世界…かな…」
「クッソムカツク!」
勝手に仲間だと思っていた峰田はまさかの中間9位。
仲間は芦戸だけになってしまった。
「頑張ろうよ!やっぱ全員で林間合宿行きたいもん!」
無邪気にそう言う緑谷は中間4位。
「うむ!俺もクラス委員長として皆の奮起を期待している!」
飯田、2位。
「普通に授業受けてりゃ赤点は出ねえだろ」
轟、5位。
「言葉には気をつけろ!」
何の悪気も無く、心からそう言っていると分かるこの3人からの言葉は結構心にくる。
(普通に授業受けてて理解出来ねぇんだよ…!眠いんだよ!)
「馬鹿の気持ちなんて……お前らに分かるかっ…!」
そこに哀れな俺たちを助けてくれる天使が舞い降りた。