第7章 *嫉妬=熱*
§ ユイside §
口に触れる温かな感触。
「ん~……」
目を開けると、すぐそこに柔らかな笑みを浮かべた焦凍。
「おはよう、ユイ」
「うん…おはよう…焦凍…」
またふわふわした頭で逞しい体を抱き枕のように抱き締める。
「ね……頭撫でて…」
抱き締めながらそう言うと、焦凍は頭を撫でてくれた。
「焦凍に頭撫でられるの好き。なんか落ち着く…」
「知ってる」
「そうなの?」
「ああ」
焦凍が私の事を知ってくれているのが嬉しい。
「ユイ」
ベッドに埋めていた顔を上に向かされ、キスをされる。
まだ朝だというのに昨日の夜のような深いキスに、朝の訪れを伝える日差し。それのお陰で寝ぼけていた私の頭は冷静さを取り戻していく。
「んっ……」
唇が音を立てながら離れると、そこには五分前にもみた顔が間近に。さっきと同じ光景なのに私の頭は爆発しそうになる。
「どうした?」
バッと顔を反対側に向けると焦凍がお腹に手を回してきた。
「………起きた」
「寝ぼけてるお前も可愛かった」
「面白がらないで……」
そっぽを向きながらも回された腕を握り締めると。ふと左手に感じるひんやりとした感触。
「これ……」
左腕を空に掲げてみると、そこには昨日行ったショッピングモールで見つけたブレスレットがつけられていた。
(もしかして…電話してくるって言った時に買ってくれたのかな…)
「今はバレるといけねぇから腕には付けられねぇだろ?鞄にでも付けといてくれると嬉しい」
そういえばあのブレスレットはペアブレスレットだった。
(じゃあ焦凍も同じものを持ってるんだ…)
自分からした約束が自分の首を絞めている気がする。
(困ったな…この人は私の彼氏ですって言いたい)
「じゃあ焦凍も鞄に付けてね?それなら偶然同じものを持ってたって言えるでしょ?」
「分かった」