第6章 *雄英*
§ 上鳴電気side §
今日の教室は朝から話題がいっぱいある。
それぞれ職場体験について話しているからだ。
実際にヴィランと戦った者、後方支援ではあるが実戦に出た者、このインターンはヒーロー科にとってとてもいい勉強になったと思う。
(でもやっぱり一番はアイツらだよなー)
「まあ一番変化というか大変だったのはお前ら3人だな」
瀬呂「そうそうヒーロー殺し!」
轟、飯田、緑谷の3人はインターンでヒーロー殺しに襲われたらしい。エンデヴァーが助けてくれて何とか無事だったらしく、今日もこうやって学校に登校できている。
(この3人でもエンデヴァーがいなければ危なかったってことだよな…うっかり俺が襲われてたらと考えたら怖くなってくるくらいだ)
周りの皆もこの話題に乗っかって来る。
聞きたくても聞けなかったのかもしれない。
それをあっさり聞けてしまうのが俺の良いところ!…だとしておこう。
「でもさぁ~確かに怖ぇけど動画見た?アレ見ると一本気っつーか執念っつーか…かっこよくね?とか思っちゃわね?」
アレ、というのは動画サイトに上がっていたヒーロー殺しステインの動画。その動画から分かるヒーロー殺しの生き様はヴィランと言えどかっこいいと思ってしまった。
「上鳴くん!」
緑谷が俺の事を呼んだ後に気付いた。
ここにはそのヒーロー殺しと戦った奴がいるんだった。
しかも飯田の兄ちゃんは大怪我をさせられてる。
咄嗟に謝ると、飯田は俺を怒ることもせず、改めてヒーローとしての道を歩むと言った。
(こんな事があってもヒーローをちゃんと目指せるってこっちもかっけぇな……)
「さぁそろそろ始業だ!全員席につきたまえ!」
飯田の声を合図にみんな席に着く。
そして始まる何も変わらない朝。何も変わらない学校生活。
俺もインターンで学べたことは多かったけど自慢できるほど大きな体験をしたわけではないのも確かだった。
(またいつもの日々が戻って来るのか……)
雄英での生活は驚きの連続でそれこそこの短期間でヴィランにも襲われた。毎日プロヒーローに会える。周りの奴らも凄い奴ばかり。そこに不満は無い。
俺が不満を持ってるのは
ズバリ
青春が無いことだよ!!!!!!!