第4章 *必然的個性*
§ ユイside §
人生とは、大切な人に捧げるもの。
私のお母さんはそれができなかった。
その上、私を産んでそれからどんどん体が弱くなって亡くなった。
だから、目の前で私を助けようとしてくれている彼はここで死んではならない。
今いるのかは分からないけれど、いずれ好きな人ができてその人に人生を捧げるんだ。
例え私の好きな人でも、だからこそこんな所で死んで欲しくない。
そう思った。
でも、私が好きになった人は私が思っていたよりもずっとずっと強かった。
一瞬でヴィランを凍らせてしまった。
恐怖心がない強い瞳。
こうしていると忘れてしまいそうだけどこのどさくさの中、私は轟くんに告白されてしまった。
絶体絶命の状況だったのに、嬉しくて涙が出てきて、幸せだった。
私は…こんな私は、恋をしてもいいのだろうか。