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〘轟焦凍R18〙初めての愛を集めて

第3章 *絶対零度*


§ 轟side §


「親も心配してただろ」


「う…ん……それなりには…」


親の話をすると月城は顔を俯かせる。


(言っちゃいけねぇこと言ったか…?)


「悪りぃ。聞いちゃまずかったか?」


「あっ…ううん!全然大丈夫。轟くんのご両親も心配してたんじゃない?」


直ぐいつも通りの表情に戻る月城に少し安心した。いつも通りって言っても相変わらずの無表情だけどな。


「俺は…俺の父親はプロヒーローのエンデヴァーって奴だ。俺の心配なんてしねぇ」


実際昨日は家に帰っても姉さんしか家にいなかった。


「そうなんだ……」


月城も何か察したらしく、それ以上は何も聞かないでくれた。






「そろそろ帰るか」


「そうだね」


時刻は六時を回り、この時間でももう薄暗くなっている時期だ。


「じゃあお会計してくるね」


そう言って立ち上がろうとする月城の腕をテーブル越しに掴んで動きを止める。


「何しようとしてんだ…?」


「何って…お会計だけど…」


(コイツ、本気で自分が払うつもりなのか)


「良い。俺が払う」


「でも元々誘ったのは私だし昨日のお礼も兼ねてだから…」


「俺はお礼されに来たわけじゃねぇ。お前は黙ってその財布を鞄に片付けろ」


「でも————————「いいから」


「…………本当に大丈夫?」


「ああ。これでもヒーロー志望だ。女に金払わせるヒーローがどこにいる」


「ありがとう……今度必ずお返しします…」


その日は「帰り道なら大丈夫だよ、多分…」という月城を無理やり家まで送ってから俺も家に帰った。


「家まで送ってもらって…本当にありがとう」


「大したことじゃない」


「うん…じゃあ…また」


「今度は俺から誘う」


さりげなく次の約束をすると、月城は「待ってる」と言って笑ってくれた。俺の顔からも自然と笑みがこぼれる。

あったばかりなのにこんなにも気になる。
次の約束はいつにしようと考えている。
笑顔を見ると俺もつられて笑っちまう。




ああ。分かった。
















































俺は、月城が好きなんだな。

どうしようもなく。







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