第14章 *自尊心と自嘲*
聞こえる声が段々鮮明になる。
(ここ、どこ…)
ただ白いだけの天井からはここが何処かなんて想像できない。
首を動かしたいけど上手く動かなかった。
すると、真っ白な視界に何かが入り込んできた。
知らない女の人。
「ユイちゃん?私が見える?」
見えるなら瞬きをして、という言葉に答えるように瞬きをすると、その人は安心したような顔をした。
「ここは病院よ。数日前からここで眠っていたの」
(びょう…いん…)
その言葉に、眠ってしまう前の記憶が蘇ってくる。
多分目の前の人は看護師さん。
そうだ…私、ヴィランと戦って…それで。
倒したんだけど百ちゃん達が襲われてるのを見て助けに行ったんだ…
――――個性の暴走
私はまたやってしまったのだ。焦凍が止めてくれた。
今回は制御できるギリギリの個性を長時間使っちゃった事かな?自分でも原因が分かってるのに暴走を止められないなんて…惨め。
でもね、何か違うの…いつもと違う。体が重たすぎる。
「あり…がとう、ございます」
聞こえていたのかは分からないけれど、出来る精一杯の力で一言だけお礼を告げた後、私はまた目を閉じた……――――。
この時まさにオールマイトとオールフォーワンが交戦
オールマイトが勝利したものの、事実上の引退…。
爆豪勝己は無事救出できた。
それに、まさか自分の彼氏が赴いていたなんて事を知るのはもう少し先…再び目覚めた時だった。