第14章 *自尊心と自嘲*
銀髪の少女が顔を俯かせながら歩く。
隣に居るのは葉隠と耳郎。
だけど二人は肩を組むような形でユイちゃんに引きずられていた。
「ユイちゃん!!!」
思わずユイちゃんの元へ駆け寄ると、セミロングがふわっと宙に浮き、その小さな頭がぐらっと傾いた。
「……っ!」
なんとか地面に倒れる前に身体を支えると、ユイちゃんの体がかなり冷たくなっていることに気付く。
「ユイちゃん、ユイちゃん?!大丈夫か?!」
声をかけるもののユイちゃんは答えない。
その代わりに、小さな呻き声のようなものが微かに聞こえた。
「とりあえず建物のそばまで連れて行くぞ」
隣で葉隠と八百万を抱えた相澤先生の顔から受け取れるのは今まで以上の焦り。
「ごめん、ユイちゃん!」
今は緊急事態。申し訳ないと思いつつもユイちゃんを抱き上げ、建物の壁に寄り掛からせるようにして座らせた。