第13章 *番外編 Trick yet Treat!*
同年代で私の事を認知している人なんて殆ど居ない。
だから多分初対面の人。
(このまま何もしないのも悪いし1曲くらいならいいかな)
「ありがとうございます」
差し出された手に自分の右手を重ねると、緩やかなテンポで曲が流れ出す。
周りを見ると皆意外とノリノリでダンスを楽しんでいた。
(一応身に付けたダンスがこんな所で役に立つとは思わなかった……絶対使わないと思ってたけど)
曲が終わり、軽く繋いでいた手を離すと、男性は会釈とお礼の言葉を述べて去っていく。
すると、その様子を伺っていたかのように何人かの男性が声をかけてきた。
そしてここから、つまらないダンスを踊る時間が訪れたのである。