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〘轟焦凍R18〙初めての愛を集めて

第12章 *手をかけた扉*



(クソ……速ぇ……)


どれだけ走ってもヴィランとの距離が縮まらない。
少しづつ距離が話されていき、見失わないようにするので精一杯だ。


「麗日さん、僕らを浮かせて。そして浮いた僕らを蛙吹さんの舌で思いっきり投げ飛ばして!」


(なるほど。相手が上空にいるなら俺らも上に行くって事か。だが緑谷は……)


この案を提案した緑谷は自分も行くかのような言い方をしたが、緑谷はもう自分では殆ど動けない。並の人間ならとっくの昔に失神している。


「緑谷!お前は残ってろ!」


この局面で決して間違いではない言葉、1番妥当な判断だったはずだ。
きっと他の奴らも同じ事を思っていただろう。


だが次に緑谷から帰ってきた言葉はそれを拒絶した。


「痛みなんか今は知らない」


その声は今までで1番殺気を帯びていた。

その目はただ一点…ヴィランだけに向けられ絶対に離そうとしない。
その理由はクラスメイトが攫われたことか。それとも中々取り返せない焦りからか。恐らくどっちもなのだが、俺は他にも理由があると思った。


(爆豪だからか)


緑谷はクラスメイトの誰が攫われてもこうなっただろう。
だが、緑谷と爆豪は子供ん時から一緒だと聞いた。
今は決して仲良しとは言えないが、幼なじみなりに爆豪を認めているところもあるんだろう。


(緑谷は前が見えてねぇ…ここで何を言っても無駄だ)


今は時間が命だ。1秒でも無駄には出来ねぇ。


「……分かった。俺と障子、緑谷で行く」


「無茶はダメよ。だけど……お願い。取り戻して」


「あぁ」


心配そうに見つめてくる蛙吹に3人で頷くと、体に巻き付けられた舌が勢いよく俺たちの体を持ち上げた。


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