第11章 *林間合宿*
俺達の目的はヴィランを倒す事、それはもう達成された。
だがダークシャドウはそうではないようでまだまだ暴れ続けようとする。
「暴れ足りんゾォォォォォ!」
次の標的は俺達……ダークシャドウはこちらに向かって突進してくる。
「オラァ!」
「……っ!」
爆豪と俺が迫って来たダークシャドウの両端で個性を発動させ、光を作り出すとダークシャドウは縮こまり、息を切らして立つ常闇が姿を現した。
どうにかダークシャドウが静まったらしい。
「てめぇと俺の相性が残念だぜ」
「ハァ……すまん…助かった」
「俺らが防戦一方だった相手を一瞬で……」
後ろを見れば気絶しているヴィラン。
個性の相性があり俺と爆豪はダークシャドウを鎮めることが出来たが、個性の相性が良い相手からすればかなり強い威力だ。
(もしあの状態を制御出来たらかなり強ぇな…)
とりあえず目の前のヴィランを倒して一安心した所でふとした疑問が浮び上がる。
「緑谷、お前月城とペアじゃなかったか?」
肝試しに緑谷と一緒に行ったはずのユイが傍に居ない。
しかも緑谷も酷い怪我だ。
ヴィランと交戦したのか……?
しかもこの大怪我……まさかユイに何かあったのか?
ユイは無事なのか
何処にいるのか
個性は暴走していないか
ダークシャドウの暴走を見た後でもあり、悪い予感が頭をよぎる。
「月城さんならB組の拳藤さん達といるよ」
「B組?」
「ちょうど僕達の近くに脅かし役で待機してたB組の人達が居たから一緒に行動して欲しいって言ったんだ」
「お前はどうした?その怪我……」
「僕は一人でいる洸太くんの所に行ったんだ。そこでヴィランと交戦になって……」
(洸太ってマンダレイと一緒に居た子供か)
話を纏めると、ユイをB組の奴らに預けて子供を助けに行った。そこでヴィランと遭遇して交戦になったと言う事だろう。
「ヴィランには勝ったのか」
「うん、なんとか。洸太くんも無事で相澤先生に預けてある」