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〘轟焦凍R18〙初めての愛を集めて

第3章 *絶対零度*




「中学生までは学校に行くのはテストの時だけで、それ以外は家で家庭教師を雇って戦闘訓練と勉強を教えてもらっていました。受験の時にその事情を話してそこを少し考慮してもらったんです」


「ああ、そういえばあの高校は事情を抱えて学校に通えていない子への特別枠があったね」


「はい、それです」


と、言ってもそれも相当狭き門。父は私が小学生の頃からずっとこの高校に通わせようと、勉強漬けの毎日を強要した。


「父は私をプロヒーローにさせたいらしくて…その上で学歴は多少必要になると言って高校には通わせてくれました」


しかも運がいいことにその学校には触れた相手の個性を無効化することが出来る個性を持った教師がいるらしく、それが志望校決定の決め手となった。
そもそも私は自分で志望校など決めていないのだがその話は今はいいだろう。


「そっか……話してくれてありがとう。もう暗くなってきている。二人とも、家まで送ろう。親御さんに連絡は入れてあるから心配しないで」


「ありがとうございます」


「あと、本当はこんなこと言いたくはないんだけど……例え正当防衛でもヒーローの仮免許を持ってない君が個性を使ってヴィランを攻撃してしまったことは確かだ。少しお咎めがあるかもしれない」


「はい、分かっています」


ヒーローで無い者が個性で人に危害を加えることは絶対にあってはならない。誰もが知っている一般常識。


塚内さんはごめんね。と一言言って車を用意するために保健室から出て行った。
私も帰る準備をしようと立ち上がった時、轟さんの声が私を呼び止めた。


「待て。最後に一ついいか」


「はい。何ですか…?」


「暴走した個性を制御できなかったらお前はどうなる」


「二時間ぐらいで死ぬ…と思います。個性が暴走してる時でも6割くらいしか出てないと思うので……」


「そうか。急に悪かったな」


そう言って保健室を出て行く轟さん。
私もその背中を急いで追いかけた。



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