第11章 *林間合宿*
「さて腹もふくれた!皿も洗った!お次は…」
「肝を試す時間だ~!」
昨日の誓いから一日が経ちやっとやって来たこの時間!
中間テストの補修組に入ってしまった俺は昼間は皆と特訓、そして夜中まで補修、それなのに朝も早起きという地獄のような一日を走り抜けた。
(あ~運よくユイちゃんとペアになれねえかなぁ~お願いします神様!)
ペア決めはくじ引きで行う。
完全な運任せ…今までの頑張りを認めてどうにか神に味方してもらいたい。
ここに来て何とか運気を高めようと念じている間に、何の前触れも無く放たれた言葉。
「その前に大変心苦しいが補習連中はこれから俺と授業だ」
たった一言だというのに強烈なダメージを与えてくる。
「なっ…なんで……」
こればっかりは補修を回避した奴らも俺達に苦笑いをする。
これを楽しみにこの一日、体感一週間頑張って来たんだ。
こんな理不尽認められるものか。
「何のためにヒーロー科が集まってこんな所まで来てるんだ?!合宿だろ?俺達もやらせてくれよ!!!」
なんて…言えるはずもなく、ここに残りたいと泣き喚いて動こうとしない足を引きづって現実という名の地獄へと戻った。
上鳴電気がユイと再会するまで、あと一時間半。