第11章 *林間合宿*
「あっれ~?もしかして君が噂の転校生?」
いちいち癪に障る声で喋りかけてきたのはB組の物間寧人。
事あるごとにA組に喧嘩を吹っかけてくる奴だ。
「この雄英に転校生なんて聞いたことないな~ねぇねぇ、どんなコネを使ったの?」
「………」
何か言おうとしたが、それを止めて下を向き、黙り込んでしまうユイちゃん。
雄英に転入してくるという事は世間からも、そして雄英生からも僻みや妬みの視線を向けられることになる。
それをユイちゃんは分かっているのだ。
「おい、その言い方止めろよ」
俺が止めに入るが物間はどんどんユイちゃんに迫って来る。
「君の個性は何?さぞ素晴らしい個性なんだろうね!」
「…っ…おい!」
物間がユイちゃんの肩を掴もうとした時、その手を掴んだのは俺では無かった。
「止めとけ。皆が見てる」