第11章 *林間合宿*
「まあ耐えられないと言えば耐えられないんだが…例えば青山はネビルレーザーを出しすぎると腹を壊す。それは体が個性に耐えられなくなったからだ。お前のはそれと一緒」
「はぁ…」
「まぁ、端的に言えばお前は体力が持たなくて体が個性に耐えられなくなってるんだよ」
「単に感情が高ぶって暴走してるわけじゃないって事ですか?」
「そうだ。あれだけ強い個性だと体力の消耗も激しいからな。お前の場合発作が出ると更に強い個性を出す。個性が強い程体力の消耗が激しいから自分の身を滅ぼしそうになってるんだ」
「じゃあ私に今必要なものって…体力、ですか」
「そうなるな。技術は申し分ないがそれを出し続ける体力が足りない。少々キツイことを言うが、身体が弱い分男並み…いや、それ以上の体力を身に着けないとその個性を使いこなすのは難しい」
「はい……」
「それから発作が出た時に個性を一気に制御できなくなるのはメンタル面の問題だ。どうにかしないとと焦って今の限界以上の個性を無意識に出してるんだろう」
私のメンタルが弱いのは自覚している。
だけどどうしても自分に自信が持てなくて、そこから焦って良くない方向に行ってしまうのがいつものオチだ。
「正直こればっかりは実戦あるのみだ。A組は故意ではなかったにしろヴィランに襲撃されたことがある。それで全員の精神面が鍛えられたのも事実だ。今のお前とクラスメイトの差はそこだな」
「はい。分かりました」
「焦るとまた同じことの繰り返しで成長しない。本気でヒーロー目指してりゃ精神面は後から勝手についてくる。とりあえず問題は体力だな」
こうして私の特訓内容は走り込み、筋トレなどシンプルな体力トレーニングに加え、身体がその変化に慣れるように少しの個性トレーニングとなった。
内容こそ地味だが、先生のお陰で個性の暴走をどうにかする糸口が見つかったことは私にとって大きな事だった。
焦凍だって私と似た個性なのに個性が暴走することは無い。
目の前に見本がいることも明確な目標となり、少しだけ前に進めたような気がした。
この後、私自信を大きく変える出来事が起きることを私はもうすく知ることになる、