• テキストサイズ

〘轟焦凍R18〙初めての愛を集めて

第8章 *愛=嫉妬*



§ ユイside §


「おっ!ユイちゃん、轟お疲れ!」


焦凍とモニタールームに入った私を呼ぶ明るい声。


「ああ」


「上鳴くんもお疲れ様」


一言だけ挨拶を交わしてモニタールームの奥を見ると、皆が大集合して画面を食い入るように見つめている。


「今は緑谷くんと爆豪くんの試験だよね、どうなってる…?」


私が聞くと、上鳴くんは体を画面に向ける。


「それが……」


口をつぐんでそれ以上何も言わない上鳴くん。
画面へと近づくと、そこには圧倒的な力の差が表れていた。


「何これ……まだ試験始まってあんまり時間たってないよね?」


画面に映し出されるのはボロボロの二人と無傷のオールマイト。
爆豪くんが手当たり次第にオールマイトに襲い掛かり、返り討ちにされる。それを助けようとしてオールマイトに向かっていく緑谷君も返り討ち。


「いや…試験始まる前からずっと喧嘩しててさ…緑谷は何か話そうとしてるように見えるんだけど爆豪が全く聞かねぇんだよ…」


「その状態のまま試験してるって事か」


「そうなんだよ…」


(そこまで緑谷くんを嫌う理由って何なんだろう…小さいころから一緒なら個性の事もよく知ってるはずなのに…)


オールマイトが爆豪くんに何か話しかける。
だが、その次にモニターに映された爆豪くんの表情から読み取れたのは嫌悪感だった。


もう襲い掛かることも出来ない爆豪くんにオールマイトの手が振りかざされる。


切「やべぇよ…爆豪…!」


上「手加減されたとしても相手はオールマイト…ただじゃ済まねぇよ…」


切島くんと上鳴くんが逃げろと言うような声を出すが、爆豪くんは逃げられない。
もうダメか、クラス一同がそう思った瞬間、緑谷くんが凄まじいスピードで駆けてきて、爆豪くんの頬を殴った。
何か言っているようにも見えるが、モニタールームには何も聞こえない。

緑谷くんはそのまま爆豪くんを担いで建物の裏へと入って行ってしまった。



/ 213ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp