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〘轟焦凍R18〙初めての愛を集めて

第8章 *愛=嫉妬*



§ 轟side §


「轟さん、お疲れ様でした」


「お前のお陰で助かった」


「いえ…お力になれたなら嬉しいです。轟さんは次はユイさんの所へ?」


「そのつもりだ。セメントス先生の試合を見たがかなり強かったからな」


「頑張ってくださいね」


「あぁ。じゃあ俺はそろそろ行く」


実技試験後、ペアだった八百万と軽く反省会をして、急いでユイの元へと向かう。


(確か…モニタールームにいるって言ってたよな)


試合会場からそのままモニタールームに直行すると、目の前にじっとモニターを見つめる人影を見つけた。


「あ、轟くん!お疲れ様!」


「緑谷…お前爆豪と作戦会議しなくて良いのか。相手はオールマイトだろ」


「うーん…作戦会議してくれる感じじゃなくて…」


「確かにそうだな」


俺と緑谷の話し声に反応した人影がこちらに振り返る。

セミロングの髪の毛がさらりとなびき、マリンブルーの瞳が俺を捉える。

俺を見つめる大きな目が細められて、眉毛が下がっていく。


「お疲れ様、轟くん」


「…月城……?」


思わずユイと呼びそうになった。
笑っているのに…確かに目の前のユイは笑っているのに、いつもの笑顔じゃなかったからだ。

何かを押し殺して、困ったように笑っている。


「作戦会議、するぞ」


雄英に入るまでこんな顔したことなかった。
何がユイにこんな顔をさせているんだ。俺は作戦会議という名目でユイをモニタールームから連れ出す。


人気の無い所まで来たところでユイを優しく抱きしめた。


「何があった」


「何も…無い」


「嘘つけ」


「………」





私、焦凍の足手まといになりたくないな。焦凍に相応しい人になりたい。





「ユイ…?」


僅かな沈黙の後放たれた言葉。
口から白い息が出るようにフッと出てすぐに消えてしまう。
それでも、俺の心には消えずに残っていた。

俺の手を優しく振りほどき、ユイが手を握ってくる。


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