第2章 藍色の糸 弐
「…何か用ですか?」
結 「いや…ちょっと見学しようかと…」
「剣道部にですか!?」
結 「まぁ、そうなんだけど」
怪しい目で見てた目がいきなりキラキラと輝き出した。と思ったら大きな声で道場に向かって叫んだ。
「先生!! 新しい新入部員が来ましたよ!!」
結 「ちょっと、別に入るって決まった訳じゃなくて…!!」
「ささっ、中に入って下さい!! 女の人でも大歓迎ですから!!」
と、無理矢理中に入ってしまった。
渋々中に目を向けると、細く、白い肌をした人が横に竹刀を置き、真ん中で正座をしていた。多分先生だ。
「戸部先生!! 新入部員です!!」
戸部「ゆらり…」
言葉の通り、ゆらりと立ち上がり竹刀を持って私の方へと向かってくる。
結 「すみませんがまだ入ると決まった訳ではなくて…」
他に言葉を発しない先生は無言で私の方へ来る。
と、次の瞬間、勢いよく私に向かって竹刀を振り下ろしてきた。