第14章 藍色の糸 拾四 完
「ここが貴方の教室よ」
桜の葉が青く濃く色づく5月の半ば、私は 『大川学園中等部』と言う学校に転校してきた。
先生の説明を聞きつつ、私は小さい時に亡くなったおばあちゃんの話を思い出していた。
私のおばあちゃんは変わった人で室町から戦国時代に生きてた時があると言っていた。
その時の私はそんな事を知らずにずっと話を聞いていたが、今思えばデタラメを言っていたのではないかと思う。
でも、その話をするおばあちゃんの顔は時々悲しくでも凄く嬉しそうだった。
だから私も聞いていて楽しかったし嬉しかった。
もう一つ、おばあちゃんは一度死に生まれ変わり、人生を歩んだと言っていた。
そんな人が転生するなんておかしいだろ。今思えばそうだ。
けど、本当に感じる。おばあちゃんの話は嘘くさいけど本当に感じる。
「私の人生は色々あった。もう悔いはないよ。次は皆と一緒だから生まれ変わることはないわ」
最後に言ったおばあちゃんの言葉。おばあちゃんは室町からずっと大事な友がいたらしい。
一度短い生涯を終えたが、生まれ変わってもその友と出逢い、最後まで皆と一緒に人生を歩めた。
「友とは藍色の糸で結ばれ繋がっているの。だからどこにいてもまた逢える。貴方も繋がった先を辿ればすぐわかるわ。」
おばあちゃんが言っていた藍色の糸とは何のことだか。馬鹿な私はそこまで覚えていない。思い出せそうで思い出せない。
小さい時だからほとんどうろ覚えだ。肝心なところが分かんないまま私は成長していった。