第1章 藍色の糸 壱
雷蔵「僕、二年ろ組 不破 雷蔵と言います。よろしく!」
結 「わ、私は 伏見 結です。二年は組です。よろしく」
雷蔵「隣のクラスに来たんだ 何かわからない事があったら遠慮なく言ってね!」
ニコニコと私にずっと笑顔で話してくれる…天使だ。
結 「ありがとう不破君」
雷蔵「雷蔵でいいよ。 結ちゃんでいいかな?」
結 「いいよ …雷蔵」
雷蔵「ふふっ」
雷蔵が笑う。つられて私も笑ってしまう。 何か初めてこの学園が楽しいと感じた。そして何故か懐かしい気持ちにもなった瞬間、頭の奥から痛みを感じた。
結 「痛っ…」
ガララッ
いきなり図書室の扉が開いた。
「不破先輩、何やってんすか?もうすぐで図書委員会会議始まっちゃいますよ?」
いきなりひょこっと首にマフラーっぽいのを巻いた八重歯が似合う男の子が扉から覗いた。
雷蔵「やばい!!ごめんね 結ちゃんまた今度!!」
と、慌てて本を拾い、図書室へと入っていった。