第1章 藍色の糸 壱
「いたた…」
結 「す、すみません!! 大丈夫ですか…?」
恐る恐る倒れた人を見る。怖い人だったらどうしよ。自分、本当にコミュ症になってしまう… オワタ。と思いながら、相手を確認した。
「大丈夫だよ。僕もよそ見してたもんで…怪我とかない?」
その人はふわふわした髪をカシカシとかきながら笑顔で私に言ってきた。
結 「大丈夫です…」
「あれ、君僕と同じ二年だね」
結 「へ?」
一瞬何故分かったのかとビビったがその人は腕に藍色のリストバンドをしていた。
この学園では変な規則があり、何処の学年かわかるように決められた色のリストバンドをしなくてはいけない。ちなみに二年は藍色のリストバンドだ。
「もしかして、転校生かな?」
結 「そ、そうですけど…」
この人、目というか、感が鋭い。髪はふわふわだけど。