第13章 藍色の糸 拾参
泣き崩れている 結の頭を優しく撫でた。
驚いて顔を上げる。目の前には涙を流している雷蔵がいた。
雷蔵「僕も、記憶が戻った時 悲しかったけど、また皆と逢えて嬉しかったんだ…」
結「う…嘘だ…」
雷蔵「本当だよ、思い出したのは二年になった時。三郎達も一緒の時に思い出したんだ。吃驚したけどもっと吃驚したのは、また皆と一緒にいた事。」
雷蔵があのふわふわした顔で笑う。
三郎「しかも名前まで一緒でつい笑ってしまったよ。」
竹谷「三郎なんて変装してないのに雷蔵と似てて、お前ら本当に双子かと思ったぜ」
三郎「私も雷蔵と似てて嬉しかった」
雷蔵「僕は嫌だなぁー」
三郎「なんだって雷蔵!?」
アハハと、笑う五人。その光景にポカンと口を開けたまま固まる結。
尾浜「まぁ、先輩と先生達は早く思い出してたよねー」
兵助「下級生も思い出しているしな」
竹谷「 結多分思い出してなかったのはお前だけだ」
何故かニッと笑う竹谷。五人も笑っている。