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藍色の糸

第11章 藍色の糸 拾壱


兵助「歩き難い!!」

結果、歩き難かった。

竹谷「えー いい案だと思ったのになー」

結「んー… あ、はいはい! 私思いつきました!」

尾浜「はい、結ちゃんどうぞ!」

結は、ガサゴソと袖口をあさり、あの藍色の糸を取り出した。

結「何か気になって持ってちゃったんだよねー 急いでたからこんな所に入れちゃったけど…」

結は今の順番で一人一人の小指に糸を結んでいった。

結「よしっと、これでどうかな?」

自分のを結び、どや顔で皆の顔を見た。

が、五人は凄く悲しそうで歪んだ顔をしている。

結「な、何だよ!? そんなに嫌だった!?」

竹谷「お前… 本当に俺らの事覚えてないのか!!!?」

いきなり竹谷が叫んだ。

結「え…覚えてないって何? てか皆何でよく悲しそうな顔するの!? 三年の先輩も何か後輩もそんな顔するし…私何かした!?」

結も竹谷と同じように半ギレで叫んだ。

一体何だっていうのだ。 私と会うと皆悲しそうな顔をする。 しかも覚えてないって何? 前に小さい子にも言われた気がする…。

泣きそうな顔で皆を見る。すると雷蔵が結の頭を撫でた。

雷蔵「ありがとう」

雷蔵は泣いていた。泣いていたけど、優しいふわふわした笑顔で言った。

その顔はあの夢に出てきた彼と同じ顔をしていた。

結の中で何かが弾けた。

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