第11章 藍色の糸 拾壱
夏祭り当日。
朝から外は賑やかで、夏祭りを楽しみにしている。
結も朝から皆が選んでくれた浴衣を眺めていた。
紺に赤と白の大きな綺麗な花が散りばめて咲いている。
大きな花を見て五人を思い出す。思わずふふっ、と笑ってしまった。
どこからかお囃子が聴こえる。
コンコン。
誰かが扉を叩いた。
兵助「結ちゃん、今から門の前で獅子舞をやるみたいだよ」
結「本当? 見たい見たい!」
兵助「勘ちゃん達は先に行ったよ。僕達も行こうか!」
結「うん!!」
元気よく部屋を出た。
扉を閉める時、ふと 机の上に置いてある藍色の糸が目にはいった。
光るはずがない糸がキラリ、と光った気がした。