第10章 藍色の糸 拾
夏祭り前日の夜。また不思議な夢をみた。
変わった服を着た五人と一緒に神社に来ていた。
何だか周りの人も変わった服装をしている。まるで江戸時代や戦国時代にいそうな服装をしている。
多くの人だかりで呑まれそうだ。皆とはぐれない様に皆で互の袖を掴み、神社に向かった。
でも、うまく歩けない。どうしようかと考える。
ふと、袖口から何かを取り出した。
取り出したのは、藍色の糸。
その糸を一人一人の小指に結び付けてゆく。
これで迷子にならないぞ!と、ドヤ顔をする。
だが、五人は笑い出した。いい考えだしと、ムスッと怒る自分。
ふわふわした長い髪の人が自分の頭を撫でた。
『ありがとう』
そこ顔はどことなくいや、あの人と同じ顔で
笑っていた。