第10章 藍色の糸 拾
夏祭りが刻々と近づく頃。結は竹谷の生物委員会の手伝いをしていた。
結「暑すぎて倒れそうだ…」
竹谷「後ここに餌あげれば終だから頑張って!」
結「畜生ー、終ったらかき氷奢りな!」
竹谷「練乳無しだったらいいよ」
結「いや、練乳かける二」
竹谷「甘ったる!!」
夏休みの為、皆里帰りしているのだ。生物委員で唯一残っているのは竹谷と、六年 い組の 伊賀崎 孫兵 だけだ。
「竹谷先輩、あちらの掃除、餌やり終わりました。」
竹谷「あぁ、ありがとうな 孫兵!」
ペコッと礼儀正しく一礼をした。なんて礼儀正しんだ と、思ったが、よく見ると腕に巻き付いているのは、蛇だ。
結「蛇だ!? 何で蛇いるの!?」
孫兵「先輩…」
竹谷「…」
孫兵「…この子は毒蛇のジュンコです」
結「え、毒蛇!?」
何故に毒蛇と仲良くしているのだ。蛇のジュンコはチロチロと舌を出し入れをし、ずっと自分を見つめてくる。
蛇に睨まれた蛙。蛙の気持ちが凄く分かる気がする…。
孫兵「ジュンコは簡単に人に噛み付きませんよ」
結「そ、そうなんだ…」
竹谷「孫兵ありがとな、後は俺らやるから上がっていいぞ」
孫兵「お言葉に甘えて、失礼します。」
そう言い、スタスタと帰って行った。