第3章 藍色の糸 参
小平太「いきなりですまんが、金吾を借りるぞ!」
と言い ひょいっと、軽々しく金吾を担いだ。
金吾「せ、先輩何ですか!?」
小平太「今から体育委員全員で裏山までマラソンするぞ!!」
金吾「朝走ったばっかじゃないですか!!」
小平太「体力つけるのは大事だぞー じゃまたな 結!!」
嵐の如く、金吾を担いでもうスピードで笑いながら走って行ってしまった。何と恐ろしい…。
裏山とは、この学園の裏にある山だ。そのまた裏に山がいくつもあり、裏裏山、裏裏裏(略)がある。
そこまでマラソンするとは、しかも朝走ったって…どれだけ体力があるんだあの人は。
でも、金吾はその七松 小平太先輩に憧れていて、毎朝走り込みや運動をしているらしい。まだ小学生なのに凄いな。
ぼーっと二人が行ってしまった後を眺めているとふと、あのふわふわした髪をしている。不破 雷蔵が横切った。
気づいたら私は走っていた。吃驚した。でも、何故か会いたくて、その人を追い掛けた。
まだ一回しか会っていないのに、ずっと知っている友達みたいな気持ちになっていた。
会いたい。早く、皆に会いたい。