第4章 藍色の糸 四
雷蔵に追いついた。後ろの私に気づき、雷蔵が振り向いた。
雷蔵「 結ちゃん! どうしたのいきなり走ってきて?」
結「いや…雷蔵が目に入って、走ってきた」
カアアと顔が赤くなるのが分かった。凄く恥ずかしい…。
そんな私を雷蔵はあの優しいふわふわした笑顔を私に向けた。
「雷蔵ー、何やってるの?」
するといきなり、雷蔵の隣に雷蔵と似た顔の人が現れた。
雷蔵「あぁ、三郎」
結「え!?雷蔵…双子だったの?」
雷蔵「あはは、違うよー」
三郎「双子の兄の鉢屋 三郎だ。」
雷蔵「もう三郎ったら、苗字違うし」
三郎「あ、普通に言ってしまった。」
似てる顔だけどやはりよく見たら違う。でもぱっと見、わからないかも。
三郎「で、君は?」
結「あ、伏見 結です。よろしく。」
三郎「よろしく」
三郎がニッと、笑った。あぁ、笑うと違う。雷蔵のほうがふわふわしている。