第2章 幸せ者【御堂筋翔】
「、、、あ。」
帰り道、あることを思い出して僕は立ち止まった。
「どうしたん?翔兄ちゃん?」
不思議そうに僕を覗き込むユキちゃん。
「、、、よう考えたらやっぱ言わなあかんなぁと思て」
「、、、何を?」
「僕等結婚しますて。オバちゃんに」
「ええっ!?何でっっ!?」
驚いて飛び跳ねる彼女に頬が緩む。
「何でって、、、」
「だってそんなん急に言ったら、きっとお母ちゃん倒れてまうで!!」
あ、結婚するってのには反論ないんや笑
「いや、、、ケド」
ニヤリと笑って、必死に反論しようとするユキちゃんの手を少しだけ引くと、その頭は簡単にぱふっと僕の胸に当たった。
「え、、、?」
彼女が反応をし終える前にその柔らかそうな唇を塞ぐ。
「、、、」
「、、、ッ!ぷはっ!何をっ!!」
あーあ、もう離れてしもた。
「、、、これからこういうこといっぱいしたいし、オバちゃんには許しをもらとかな僕の気が引けるからなぁ、、、」
「ッ!!お、お母ちゃんが許すわけないやん!!」
「、、、ほうか。じゃあやめとこか」
「ッ!!そ、そそ、それはまた別の話で、、、っ」
「ん?」
「、、、その、やめとく、、、のは、嫌や、、、」
「ププっ!」
「もうっ!何笑ってんの!?元はと言えば翔兄ちゃんが、、、!!」
「でもユキちゃんもしたいんやろ?」
「う、うるさいっ!もう!翔兄ちゃんのいじわる!!」
「ププーッ!!」
怒りながらもポケットに入れたこの手を彼女が離すことはなく、僕はやっぱり世界一の幸せ者やと思った。
おわり