【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第6章 【短編】The clown who mocks
「流石に意味くらいは分かるよね?」
「・・・っ!」
「捜査ごっこよりも楽しい遊び、知りたくない?」
答えられない睦月の反応に気を良くした足立。
そのまま睦月を解放すると踵を返して玄関近くへ向かう。
「僕、これから署に戻らないといけないからさ、今夜またここに来なよ。じっくり教えてあげるから」
そう言いながら足立は背広を着なおし、佇まいを整えた。
その口調は良く知った足立そのものに戻っている。
「おっと、言っておくけど、僕は君にだから話したいんだよ。だから、くれぐれも他の皆には内緒にしてね?そうじゃないと教えられない。もしも誰かにこの事を話したら・・・分かるよね?」
顔を赤らめながらも、蔑んだ目をする睦月。
そのまま一言も言葉を発さずに彼女は足立のマンションを飛び出して行った。
その姿を見て足立は今夜獲物が自ら尋ねて来る事を確信した。
「馬鹿だなぁ。そんな話信じてるの?これだからガキは。そんなの嘘に決まってるじゃないか。仮に何か僕が情報を持っていたとして、君達に話す理由はどこにあると思う?」
乾いた唇を舌で湿らせ、足立は獲物をどんな風に凌辱してしまおうかと思案を巡らせる。
ふと足立が顔を上げ壁に掛けてある鏡を覗いてみた。鏡に映る歪んだ欲望まみれの自分自身。
その上からいつもの道化の仮面を無理に作って足立は署に戻る事にした。
道化を演じたこの仮面を取り去るのが待ち遠しい。
今夜は、愉しい夜になりそうだ。
終