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【ペルソナ4】 Shining one Day by day

第5章 星空だけが、きっと知ってる


6月の川はまだまだ冷たかった。


川へ落とされた花村をフォローしようとするも、俺から発せられる言葉は拙く、里中には伝わらなかった。

結果、俺も花村と同罪と見なされ、「問答無用!」という言葉と共に衝撃が走る。

更に何をしたのかは知らないが、完二まで落とされる始末だ。


だけど、クラスメイトと睦月の水着姿を一瞬だけでも見られた。


その瞬間の為だけに人数分の水着を用意する花村のバイタリティには少々呆れるが、何だかんだ言いながらもそれを彼女たちが着てくれると言う事は、それなりに信頼されているのだろう。


水温の低さに狼狽する俺達から少し離れた所で、何かが聞こえて来た。


気付かなければよかった。


川上からモロキンの嘔吐く声。

それと、何か見てはいけない物が流れてくる。




虚しい戦いだった。



何と戦っていたのかはわからないが。



こうして林間学校は終わりを告げる。

少しだけ、気がかりな事があった。

睦月の足の傷。

女の子の身体に傷を残してしまった罪悪感、というよりは、不安。


花村が気付くまで、彼女がそれを黙っていた事に対する不安だ。


睦月は、どこかで何かを我慢しているんじゃないのか。


・・・あの傷跡みたいに、悟られないように無理をしている所があるんじゃないのか。



―だけど、それに気付けるのはきっと、

俺じゃない。



理由はわからない。だけどそんな気がする。




第三章 終
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