【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第5章 星空だけが、きっと知ってる
六月の半ばの、ある晴れた日。
数少ない学校行事の中の一つ、林間学校を目前にクラスの話し合いが設けられた。
しかし林間学校とは名ばかりの、蓋を開けてみれば、何のことは無い。泊りがけの山のゴミ拾いだった。強制労働と言って良いくらいのその内容に、それまで期待に胸を躍らせていた一年生は一気に落胆の色を顔に浮かべる。
睦月ももれなくその中の一人だった。
先程班決めをした時に、一緒の班になろうと浮かれていたばかりの隣の席のクラスメイトと顔を顰め合う。
ふと気になって少し離れた巽完二の席を見る。
誰も座っていないその席。机の端からは置きっぱなしと思われる教科書が飛び出ている。
彼は今日もロクに登校する気は無いらしい。
とは言え、完二をテレビから救い出した後は、前より積極的に登校する様にはなっていたのだが。
教室の中では男子の数名が、完二をどこの班にするかという半ばなすり合いの様な話し合いが行われていた。