【ペルソナ4】 Shining one Day by day
第15章 小さな心の侵略者
直接会えない日々の間、気が付けば俺は随分と欲張りになってしまったらしい。
あの夜の事を想い返しては、次いつ触れ合えるだろうか、そんな事ばかりを考えてしまう。
それを振り払うと、今度はどうしようもなく睦月からの「好き」を聞きたくなる。
俺のどこが好き?
人前で手とか繋いじゃったりするのは、やっぱまだ早いよな?
俺としては、特捜隊の皆に堂々と宣言してもいいくらいだし・・・
そもそも、手ぇ繋いで歩くとか睦月的にアリ?
・・・つーか、どこまで進んで良い?
睦月の声を聞きたくなって携帯を開く、が。
「いや・・・何かカッコ悪ぃよな・・・」
ちっぽけなプライドがこんな時に自己主張を始める。
結局見栄に打ち勝てない俺は、睦月とのメールのやりとりを眺める。
一体こんな事、いつまでやってんだ。今日何回目だ、俺。
と、画面の上の方にメールの新着情報が光る。
悠からだった。
『もうすぐ真夜中だけど、起きてるか?』
「勿論。やっぱまだ終わって無かったのか?ま、もうすぐはっきりするよな」
手早く返信し、ベッドから上半身を起こす。
そうだ、直斗。
あいつ、転校してきたんだ。