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【ペルソナ4】 Shining one Day by day

第11章 その柵は自分次第


ブロックの中に閉じ込められていた間にシャドウに見せられたもの。

それはこうして繋いだ仲間との絆が徐々に儚く消えて行く幻想だった。


ひどく現実的に創られたそれは、悠にとっては口に出すのも憚られるような辛い内容だった。


そんな幻想から悠を引きずり出してくれた陽介。


昨日の帰り道、陽介には見せられた幻想の内容、そして自分はリーダーの器ではないかもしれないという不安を打ち明けた。

陽介は笑うでも怒るでもなく、それを受け入れ、替わりに陽介も自分自身が抱える葛藤を悠に打ち明けた。


その後に互いに抱えていた心の靄を吹き飛ばすかのように悠と陽介は鮫川で拳を交わした。

互いが疲れ果て、その場で倒れ込んだ時、二人は名実ともに相棒と呼び合える様になった。

頬はまだ痛むが、悠にとってはかけがえのない痛みだ。


「ま、とにかく今回の一番の功労者は俺なんで、そこは忘れんなよ?」

「何か認めたくないクマ~」

「ちょっとクマ君に同意。なんか花村ねぎらうとかヤダ」

「お前らなぁー・・・まぁ、事件は一応解決?って事で」

「折角なら打ち上げしない?」

「りせ、いいなそれ」


各々が盛り上がる中、睦月はダンジョンの中で決意した事を思い出す。

千枝や雪子、りせ、それと自分自身に誓った約束。
その時が目前に迫っている事に改めて緊張が走る。

不意に、テーブル越しに軽くつま先を蹴られ、睦月は顔を上げる。

そこには、「大丈夫」そう言わんばかりの拳を握って見せるりせの笑顔があった。



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