第2章 寮生活
皆が起きていない朝早くに準備して、
待ち合わせのカフェへ向かう。
おかげで眠いし、周りの視線も痛い。
まじ何なのあいつ。
「よっ久しぶり。」
黒の上着に白のTシャツ。特別変な格好じゃなくて良かった。
『…帰っていいか』
「お前に拒否権なんてねーの。」
そう言われて勝手にコーヒーとケーキを頼まれる。
どうせうちのお金じゃないしいいか。
「どう、学校生活は。ヒーロー科いい男いっぱいいるだろ?あー、そういえば男の姿だったな笑」
『優弥には関係の無いこと。』
「またまたー!そんなこといったら俺が引き取りに来るから。どうせその姿で攫っても気づかれねぇだろうし」
ダメだ、性格が少し離れたところで変わるはずない。
しかも家は割とお金を持ってる方だ。
有言実行するタイプなんだよ。絶対に嫌だ。
『…絶対にそうはさせない。』
負けるな。せっかく雄英まで逃げられたんだ。
ここでまたチャンスを奪われたくないんだ。
「まぁまぁ、とりあえず俺の家に来てよ。そっちの方が話しやすいから」
優弥の家はカフェから10分ほどのマンションだった。
わざわざ部屋をとることはなかったのに、
今日のためか。
ケーキとコーヒーは適当に食べて飲んだよ。
美味しかっ((
『で、ちゃんとした話を聞きに来たつもりだったんだけど、帰っていい?しょうもないし。』
「心外だなぁ。将来結婚しようと思ってるのにさ」
『そのジョークは聞き飽きたの。急に連絡をとった理由はなに。』
「…そう焦らないでよ。」
あ、やばい。体が動かない。
優弥の個性は棘。
どこか1箇所でも棘が刺されば一定の時間動けなくなる。
『要件?ただ一つだけさ。亜依の個性だよ。』