第9章 特別な1日 ( 大神 万理 2019生誕 )
『え、だって昨日は千そんなの興味なさげだったじゃない?プレゼントだって、私に預けるくら・・・』
そこまで言いかけて、愛聖は千のプレゼントの中身を思い出したのか急に無言になる。
千「プレゼントは、愛聖に預けて置かないと昨夜楽しめないだろうと思ったからね。どう?万理は狼だった?それとも、ジェントルだった?」
『ば、万理は・・・えっと・・・』
「そんなことわざわざ聞くなって。それに愛聖も千の言うことに答える必要はなし」
千「そう?百も気になるよね?」
ベッドルームの入口に立つ百くんに、千が微笑みかければ、百くんは小さく苦笑を浮かべながら頬を掻いた。
「あ~、もう分かった分かった。そんなに俺たちの昨夜が気になるなら・・・」
千の前から愛聖をグッと掻っ攫い、千や百くんがいるのも構わず愛聖にキスをする。
『ばっ、万理?!』
「これが答えだから。どう?やっと分かった?」
突然のキスに顔を真っ赤にした愛聖を胸に押し付けるように抱きしめ、千にキラリとドヤ顔を向ける。
千「やってくれる」
百「イヤン!バンさんったら、ダ・イ・タ・ン!!」
「何とでも。あぁ、それから、これからは俺がいない所でもやたらと愛聖にイチャつくの禁止!絶対ダメ!」
じゃないと、妬いて焦がれて・・・灰になりそうだから。
千「アッハハハハ・・・万がここまで独占欲が強い男だなんて、知らなかったよ。ね、モモ?」
珍しく千が声を上げて笑いだし、笑い過ぎて涙目にさえなっているのを指先で擦る。
千「ホント・・・今日は特別な一日の始まりだよ」
「いい加減に帰れよ、千」
千「帰らないよ、万。楽しいパーティーはこれからだからね」
「はいはい、そうですか」
いつまでも笑い続ける千を軽くあしらいながら、俺の腕の中にある温もりをまた、抱きしめ直した。
~ END ~