第6章 秘密のKISS (2019.2.14 大和 生誕)
一「では、甘い香りをキッチンに残したのは兄さんではないんですか?」
三「いーや?オレや壮五が起きた時には既に」
一「兄さんや逢坂さんではないと言うことは、やはり佐伯さんが···と言うことになりますが···」
夜中の内にキッチンをミツやソウが使った訳じゃない事が分かると、イチは小さくため息を吐きながら天井を仰いだ。
環「つーか、これってチョコの匂いだよな?」
陸「だよね!じゃあ愛聖さんがバレンタインチョコ作ってたってことかな?!」
朝っぱらから全員集合をかけられ、あくびを噛み殺しながら来てみれば···
「リク、ワクワクしてるとこ悪いけど。愛聖が今までチャレンジして作った数々の怖い作品を思い出してみなって」
陸「···あ」
ほらご覧なさいって。
調理師免許を持ってるミツや、辛味はともかく料理上手なソウがついてるにも関わらず出来上がった料理は、それはそれは···な出来栄えばかりで。
あれを顔色変えずに食べ続けられるのは万理さんくらいだろって感じで。
あぁ、あとアイツらな。
愛聖に関しては万理さんに負けず劣らず甘々な···Re:valeのおふたりさん。
壮「だけど、もし本当に愛聖さんが一生懸命に作ったなら、気持ちは大事にしないといけないんじゃないかな?」
一「そうかも知れませんが、もし口にして健康被害が起きたら笑えません」
ナ「oh···マリーの手料理、少しだけDangerousデスね···」
ナギが言うのも分かる···確かに、見た目は普通っぽいけど、味がなぁ。
三「とにかく、オレたちはなにも気付いてないフリをしてやるのがいいんじゃねぇのか?」
環「なんで?今日バレンタインだし、マリーにチョコ欲しいって言って貰えるなら、俺は早く欲しい」
壮「環くん、催促するのは少し違うと思うけど···」
ナ「マリー···ワタシはいつまでも待ちますよ」
ふぁ···っとまたひとつあくびを飲み込み、ソワソワと浮き足立つメンバーを見る。
「あのさ?お兄さん、ひとつ聞きたいんだけど···」
一「なんですか?」
「愛聖がチョコを作っていたとして、なぜオレたちが貰えると思うんだ?万理さんにかも知れないし、それに社長にって可能性もあるんだぞ?」