第12章 いつか届くといいな・・・ ( 七瀬 陸 )
『この企画、最初に話があった時は二階堂さんをドッキリに仕掛けようって話だったんです。だけど千が、意外と勘がいい時もあるから無理なんじゃないか?って。そしたら一織さんが、そういう役目なら七瀬さんがピッタリですよ、と』
くっそ~・・・一織のヤツ!
「あれ?でも一織が知ってるって事は、話が出た時ってどこでだったの?Re:valeも絡んでるって事はこことか事務所じゃないよね?」
『テレビ局で私の楽屋に逢坂さんがMEZZO"の仕事のついでに忘れ物を届けに来てくれた時、ちょうど千たちが遊びに来てたんです。そこでNEXT Re:valeの特別企画の話で盛り上がって。事務所でその話を社長としていた時に居合わせたのが一織さんだったんです』
だから一織がオレを、なのか。
そんなこと知らないから、オレ思いっきり恥ずかしい発言フルコースしちゃったよ・・・
『企画的には大成功だったみたいだし、きっとあれはそのまま番組で使われると思います』
「え?!編集なしなの?!」
思わず叫べば、さすがに多少の編集はすると思うけどと言って愛聖さんが笑う。
『でも私は嬉しかったですよ?七瀬さんがナギさんの提案に反対してくれたこと。企画を練っていく時点でナギさんが提案した時、実は私、1度断ったんです。いくらドッキリ企画の中の事でも、そこまでする必要はないんじゃないかって、ゴネました』
それって、オレとそういう事になるのがイヤって事なのかな・・・?
天にぃとはCMとかでギリギリな事とかしてるのに、オレはダメなんだ・・・って、少し悲しくなる。
けど、愛聖さんはそれを察知したのか、すぐにオレの事がイヤなんじゃないから気を悪くしないで欲しいと加えた。
『断った時、プロデューサーさんにチクッと言われたんです。女優なのにこれ位の事で躊躇するのか?って。これ位って言われても、いつもは仕事として割り切ってるからなのに、同じ寮で生活してる七瀬さんと、それもドッキリ企画でとか・・・申し訳なくて。二階堂さんとのドラマ共演の時は、お互いにONとOFFの切り替えは大事にしようって話し合ってたからクリア出来たんですけどね』
愛聖さんと大和さんの出てたドラマは・・・まぁ、うん・・・キスシーン豊富で、更にその先の際どいシーンもあったからなぁ。