第11章 過保護
朝、流衣は珍しく早くに登校していた。
それも、行き先は自分の教室ではなく、職員室だ。
そう、それは──職員会議の始まる直前。
「あー、取り敢えず挨拶しとこうと思って。遅くなったけど…あの馬鹿の世話もあるから。
………4月から雄英1-A生徒として在籍しています。これから、よろしくお願いします」
あの馬鹿とは即ち──最近、大怪我した同居人の男。彼女にとっての、唯一の大切な人でもあった。
ぺこりと流衣は頭を下げる。
目の前にいるのは雄英高校教師陣。
皆それぞれの思いを胸に抱き、流衣の挨拶を聞いていた。